株式会社日本免疫粧研 / JAPAN IMMUNITY COSMETICS LABO

Column

子育てとアトピーと

電話相談の話題や子育て中の出来事などにふれながら、様々なテーマについて考えます

痒い場所は身体のシグナルかもしれない

前回の就職1年目の女性のお話しには続きがありました。

学校に上がる前に乳成分のアレルギーがありアレルゲン除去をしていましたが、小学生になってからは給食を食べていたそうです。

ただ毎日牛乳を飲むようになると皮膚症状が悪化し時々下痢が続くこともあったため、学校で毎日牛乳を飲むことはやめていたそうです。

パンの日はご飯だけ持っていった時期もあると話していました。

私は彼女に「乳首周りとか肛門周りがかゆくなる経験をしたことはありますか?」とうっかりなんとなく聞いてしまいました。

アレルゲン除去は必要なくなっていても牛乳を毎日飲むようになってから何だか皮膚の調子が悪いというご相談が毎年何件かあり、それはもう20年以上続いていることなので、ついうっかりこちらから質問したのです。

「ええ? どうしてそんなことを言うんですか?」
といった後、黙ってしまわれたので、怒っているのだろうと思っていたら、彼女は泣いていました。

こんな恥ずかしいことは誰にも言えないと思っていて、お医者さんにもかかっていないのだと、少し気持ちが落ち着いてから教えてくれました。

痒いだけだったのが数カ月続くうちに痒い場所が傷だらけになり、いまでは下着が当たると痛いのでブラジャーの中にガーゼを入れているというのです。

相談で出会った患者さんから「そういう時はTシャツを着てその上からブラを着けると痛くないです」と教えてもらったことがあって、その方法はいろんな人にお伝えしました。

彼女ともそういった日常の対策を色々と話しました。

そして就職前と就職後で大きく変化した「毎日ラテを飲むこと」「朝食、昼食の大半が菓子パンになっていること」の2点を、それ以外のことに置き換えられるかどうか一緒に考えました。

昔のアレルゲンに反応しているのかどうかはわかりません。

でも、もともと得意ではなかったものだから毎日クリームたっぷりの飲み物を飲むのはやめた方がいい、野菜ジュースなんかどうだろう。

コンビニのおにぎりと野菜とか、野菜たっぷりのサンドイッチとか、バナナとかそういったものをお昼に食べるのもいいかもしれない。

と食べ物の話をたくさんしました。

原因はラテや菓子パンかどうか不明です。

それでも便秘対策としても野菜を食べたり、毎日食べるものに変化をつけることは役立ちそうなので、とりあえずそこからやってみようということになりました。

「痒い場所は恥ずかしい場所ではなくて、身体が自分に教えてくれている大事なシグナルだと思えたらいいね」とお伝えし、頑張りすぎないで万が一悪化するようなことがあったら、恥ずかしがらずお医者さんに行こうねと声をかけました。

Column List

    繊細な男ごころ?(1)

    繊細な男ごころ?(2)

    災害支援でであうこと

    災害弱者支援のこと

    綿毛布と衣類のこと

    電話相談の記録から―

    お母さんのケアにも応援が必要

    おっぱいをやめればアトピーが治る?

    箱ティッシュのこと

    憂鬱や不機嫌はアトピーのせい?

    「すすぎ残りなし」のこと

    処方された薬を勝手に止めてみたものの

    良かれと思われることがつらい

    指先が少し憂鬱

    紙おむつと布おむつどっちがいいの?

    お父さんと娘さんの仲直り

    思春期の身だしなみ

    絆創膏が使えない

    窓を閉め切っていませんか?

    食生活と皮膚のこと

    消毒のし過ぎで手荒れがひどくなった

    マスクで思い出したことがあります

    「自分でできる」を待つ時間

    お化粧したいのに

    化粧したがる我が子に腹が立つ

    残留塩素とかゆみのこと

    子どもの言い分、親の心配。

    たかが耳切れ、されど耳切れ

    「入店お断り」の感染対策のこと

    就職したら肌トラブルが始まった

    痒い場所は身体のシグナルかもしれない

    二重マスク・抗菌マスクのこと

    もう一度洗い残しのこと

    アトピー性皮膚炎は遺伝するのかな

    ニョロニョロはもういない

    大きくなったら治るといわれても

    汗をかく部活動はやめさせるべき?

    動物を飼うこと

    母の手際と猫のこと

    偏食で痩せている-お父さんのチャレンジ-

    偏食で痩せている-責められていると感じるお母さん-

    偏食で痩せている-世の中と折り合いをつける-

    お風呂は悩みの種だった

    コロナ禍でもお医者さんとの対話をやめないで

    アトピー性皮膚炎の再発に気持ちが揺れる

    汗をかきたくなくてじっとしているわが子が心配(1)

    汗をかきたくなくてじっとしているわが子が心配(2)

    プールに入ったら塩素を洗い流し保湿しよう

    関連疾患とのおつきあい(1)

    関連疾患とのおつきあい(2)

    卵アレルギーとストロフルスのこと

    とびひのこと

    抗アレルギー薬のこと

    薬のこと「本当にそれでいいのかな?」

    動物が人里に持ち込むマダニやヒルのこと

    杉の木もないのに春先は目の周りがヒリヒリ

    春先のアトピー性皮膚炎の悪化をわかってもらえない

    ラテックス対策が必要でした

    傷だらけでもついやってしまうシュッ

    もう一度「薬のこと」

    ステロイドのこと

    かゆい眼鏡(1)

    かゆい眼鏡(2)

    新素材のこと(1)オムツ

    新素材のこと(2)食事エプロンやスタイ

    ビタミン補給と二人三脚

    扱いづらい身体のことをお父さん分かってよ

    頬が切れて痛々しかった

    成長と共に傷になる場所が変化した

    皮膚は記憶している?

    ステロイドのこと

    肌着には血や浸出液がついていました

    肌に優しい洗剤探し

    肌に合うもの探しは延々と続く