「小学生のころから手指に”ささくれ”ができるようになり、ほおっておくと爪の根本が赤く腫れその周りにアトピー性皮膚炎が広がり、指全体がかゆくなるようになった。初めてひどくなったときは治るのに数か月かかった。小さい頃は寒い季節だけだったように思うが、中学生になってからは、季節に関係なくちょっと油断するとささくれができるようになった。」
中学3年女子のお母さんから相談がありました。
ひどくなるとステロイドを塗って治すだけで日頃の手指の手入れはしていないということでした。
本人が使って気持ちいいと感じる保湿用のクリームを買って、少しささくれてきたらすぐに塗ることと、ビタミン類が不足したときにささくれができると一般的に言われているので、ビタミン類を多く含む果物や野菜類を意識して食べることを勧めました。
お母さんは「実は」と言って、お子さんと二人きりの母子家庭の暮らしのため仕事をふたつ掛け持ちしていて、子どものことをかまってやれずお弁当やインスタントラーメン、ハンバーガーなどが夕飯になる日もあり、野菜や果物は充分に食べさせてやれていないといった現状を話してくださいました。
「お金がないわけではなく時間がなくて、どうしたらいいかちょっと考えてみる」
といって会話は終りました。
その後、クリームとオイルのどちらが良いのか質問をくれたり、絆創膏や網包帯について質問をくださって数回話しました。
当初は暗い印象が強かったお母さんでしたが、最近は少し明るくなり元気な様子が感じられたので、そのことを伝えたところ、
「私は相変わらず時間がなくて食事作りがうまくいっていないけど、娘にビタミン不足を補うのに必要な野菜や果物の話をしたら、自分から野菜がたくさん入ったシチューや鍋料理を作るようになって、いい感じなんです。」とのこと。
「指包帯も思った以上にいい感じのようです。」と近況を伝えてくれました。
娘さんとお母さん、気が付いたら二人三脚になっていてすばらしいと思いました。
健康回復がうまくいきますように。