子どもが小さい頃の数年間、電話相談でたくさんのことを話した人とも、ある時子育ての悩みなどが吹っ切れるとご縁はなくなってしまいます。
新型コロナ禍の影響で普及したオンラインイベントのおかげで、前に相談のお話をうかがった人からチャットでメッセージをいただき、イベントのフリータイムでひとしきりおしゃべりする機会がありました。
保育園から小学校低学年のころまではアトピー性皮膚炎があり、顔や首、手足の見える所のあちこちに皮膚症状がありましたが、お母さんが栄養士さんだったこともあり
「いいうんちが毎日出るご飯をこころがけて」とか「揚げ物と甘いお菓子は特別な日だけにしよう」などと、ハードルの高い身体づくりのお話を繰り返しお話しし数年間過ごしました。
小学校4年生の頃は皮膚の悩みはすっかり影を潜め、あと何年かしたら思春期に突入ですねというような話をしたきりになっていました。
その子も今は19歳の青年になり髪型や服装選びが大変だと教えていただき少しうれしい気持ちになりました。
ところが最近、首回り、耳の後ろ、下着が触れる腰回りや臀部に湿疹が広がり、かゆくてイライラすることが多くなり、「何か治せる薬を探せよ」と荒っぽく言うばかりで、医者に行けと言ってもいうことを聞かないのだと、お母さんから打ち明けられました。
「思春期のイライラや暴言はよくあることと覚悟していたけれど、アトピー性皮膚炎の再発は想像していなかったのでけっこうショック」とうなだれていました。
私たちは専門家ではないけれど
「過去の相談で腰回りや臀部の湿疹は通気性のいい下着に変えたり、朝晩のシャワーだけで解決する可能性もあったから決めつけない方がいい」
「首回りや耳の後ろはヘアジェルやシャンプーなどのかぶれの可能性もある」、
いずれにしても皮膚科の医師にじっくり見てもらって解決策を検討してもらった方がいいとお話ししました。
思春期の男子はお母さんに皮膚の状態は見せてくれないことが多く、かなり悪化するまで症状があることを黙っている場合もあるので、生活の知恵や工夫が通用するタイミングを逸してしまいがちです。
体の部分ごとに異なる理由や対策があることを少し丁寧に話し、悪い方向に進む前に一度皮膚科医に観察してもらった方がいいことを息子さんに伝えてほしいと思いました。
息子さんのイライラももしかしたら「またアトピー性皮膚炎か」「どうせアトピー性皮膚炎だ」と思い込んでいるせいかもしれません。
うまく対話できることを願っています。