秋の気配が日々増しています。
あちこちの地域の保育園、幼稚園、学校などで運動会が開催されています。
栗やぶどうなど秋ならではの食べものも店先に並び、子どもたちにとってもワクワク楽しい季節ではないかと思います。
夏から秋にかけて多くなる相談の話題は「汗をかくことについて」です。
汗をかいたり虫に刺されたり夏の時期に傷んだ皮膚を心配して、お母さんから「汗をかかせたくないので体育を休ませたいがどう思いますか」と質問がありました。
子どもさんは中学1年生の男子、アトピー性皮膚炎は手足のくびれと顔に少し、最近は首周りにも症状が広がって、全体的によくなったり悪くなったりしているとのことでした。
「今年は特に暑かったから”あせも”の後がまだ残っていて、運動会の準備のために毎日たくさん汗をかいて帰ってくる。首のあたりは熱を持って赤くなってしまった。皮膚を落ち着かせるためには体育を休んで汗をかかないようにしたらいいと思うけれど、子どもはそんなのは関係ないと言って親の意見に耳を貸さない。何かいい方法はありませんか」
というご相談でした。
何日も親子で喧嘩している様子だったので、私たちからは「何が正しいか」ということではなく「歩み寄れる場所を探すこと」を提案しました。
お子さんの性格や希望していること、学校の施設がどのようになっているかなどによって解決の仕方は異なると思います。
汗の対策だけを考えると一番良い方法は、運動して汗をかいたらできるだけ早くシャワーを浴びてさっぱりし、清潔な衣類に着替えることです。
学校にシャワーが設置されていたとしても、プール授業以外のシャワー室利用は不可となっているところが多いと聞きます。
保健室を借りて、絞ったタオルで汗を拭き着替えるというのはどうでしょうか。
これは養護教諭が許可してくれたらできそうですが、通常の着替えよりも時間がかかるので、体育の授業を最後まで受けて身体を拭いたりしていると、次の授業に遅刻することになります。
次の授業にしっかり間に合うためには、体育の授業を少し早めに抜けて保健室に行かなければなりません。
どんな施設があって、誰と相談しどのように対処するか、お子さんと一緒に考えながら作戦を練るといい方法が見つかるのですが、さんざん喧嘩してこじれている息子さんとは相談できそうもないということになり、お母さんが体育の先生に直接会って相談することになりました。
体育を休むことなく、皮膚の状態を改善するために体育の先生と養護の先生が協力してくれて、体育を途中で抜けて身体を拭くことが実現しました。
保健室には洗面台があり、タオルをじゃぶじゃぶ洗いながら体を洗うことができ、思った以上に汗対策はうまくいき、親子喧嘩はとりあえず収束しました。