サブタイトル

たかが耳切れ、されど耳切れ

以前、子ども用肌着の使用感テストを実施した時のことです。

アレルギー疾患があるお子さんのお母さん30人に「子どもに肌着を着せる時に困っていること」をアンケートしました。

喘息やアトピー性皮膚炎や食物アレルギーなど、体の状態は様々でしたが、困っていることや気になっていることはとても似通っていました。

思いのほか多かったのは
「耳切れがあって洋服の脱ぎ着の時に子どもが痛がるのでそれが大変」「肌着を脱ぐときに静電気が起きるとそのあと痒くなるので化学繊維を避けている」
というものでした。

我が子の子育ての時も、耳切れがひどくなると耳の下の方や後ろ側にも浸出液が影響して広い範囲でかぶれてしまうので、肩にボタンがないものは着せられなかったことを思い出しました。

赤ちゃんのうちはそういうデザインのものがありますが、少し大きくなるとそんなデザインの子ども服はなくなってしまうので、被って着るデザインの洋服は選ばないようにしていましたが、肌着だけは頭からかぶって着なければならないので厄介でした。

そのうちに子どものほうがあれこれ考えるようになり、襟ぐりの広いアンダーシャツやランニングを選び、子どもが両手で耳の切れている部分を押さえている間に私が両手ごとシャツの首の部分を通してやり、子どもがそおっと耳から手を放して首部分から手を抜いてから、シャツを着る技を編み出しました。

保育園で着替えがあるときも、子どもが先生に方法を伝えて協力してもらい、痛くないように工夫していたようでした。

アンケートでも子どもの頭を薄いスカーフで覆ってからシャツを着せたり、お母さんの手のひらで耳を覆ってシャツをかぶせたり、色々な方法が書かれていました。

「急いでいるときに耳切れのことを忘れてシャツを脱がせて子どもに大泣きされた」とか、「小児科のお医者さんに相談すると、そのうちに治るから心配しすぎないようにと言われた」というエピソードを書いた人もたくさんいました。

たかが耳切れ、されど耳切れ。我が子の場合は0歳から6歳の頃まで長い間四苦八苦が続きました。