成人のアトピー性皮膚炎がある人とおしゃべりすると、低温のお湯に長く浸かって汗をかくと皮膚の状態が落ち着くという話題が時々出てきます。
低温のお湯に入るための方法について
「自宅のお風呂だと家族が順番に入るので長く入っていられないけれど、温泉に行くとゆっくり長く入れる」とか「ぬるいお湯と熱いお湯の両方がある温泉を探すといい」「鉱泉は冷たい温泉だけど身体があたたまって不思議」「硫黄の強い温泉は私の肌に合わない」などと、温泉のうんちくを提供しあうこともしばしばです。
熱いお湯に入ると血行が良くなって湯上りがかゆくなってしまうからお風呂はつらいという人でも、低温なら大丈夫ということなのかもしれません。
温まりすぎないように湯舟には入らず日頃はシャワーだけ浴びるけれど、冬場はがまんしてお湯につかるという人もいます。
お風呂は皮膚の回復を助けてくれるものですが、入り方にはその人の事情に合った工夫があるようです。
小さい子にぬるいお湯に長めに浸かってもらうのは至難の業ですが、お風呂用スポンジおもちゃで遊んだり、しりとりゲームをするなど家族の誰かが一緒にお風呂に入ることができればうまくいくこともあるようです。
我が家もアトピー性皮膚炎対策に低温長風呂にチャレンジしたことがあります。
当時は共働きで時間がいつも足りませんでした。
子どもがお風呂に入る時間に夫は帰宅していないことがほとんどで、私は食事を作らねばならなかったので、子どもはお湯に浸かって大きな声で歌を歌うことにしていました。
目が行き届かないところを子どもの歌声で安全管理も兼ねてカバーしてもらうような恰好でした。
声が聞こえている間は溺れたり転んだりしていないわけですからとても便利な方法でした。
わが子は一人っ子ですが、小学2年生の時に親せき宅に家族ともども1年半居候したことがあります。
その間、子どもは1歳上の従兄や伯父といっしょにお風呂に入るようになったので、ほとんど遊び時間のようになっていました。
長いことお風呂場にいて騒いでいるので目的は達成できました。
居候を解消した後は年齢も上がり、子どもは面倒くさがって低温長風呂はやらなくなってしまいました。
その頃から皮膚の状態は悪くなりお風呂の後はスキンケアと包帯まきに親子で取り組むことになりました。
お風呂の効用は人それぞれですが、子どものお風呂対策はいつも悩みの種だったことを、大人の患者さんのお風呂談議で思い出した次第です。