お菓子ばかり食べていた子が「野菜が面白い」と思うチャンスを作れたことで、ほんの少し食事をするようになり、おやつも野菜を使ったものも食べるようになったお子さんの話です。
「茹でてつぶしたサツマイモをラップでくるんだ団子」をおやつに出したら好評だったので、カボチャやジャガイモでもやってみたところ、塩をちょっと振ったものを好んで食べるようになったと連絡をいただきました。
夫婦共働きで時間をかけたものを調理できないので、バリエーションはほとんどないと言っていましたが、野菜のお団子を作れない時は果物のおやつも出すようにしたら、チップス系の油脂が染みた味の濃いお菓子を週に1回くらいしか食べないところまで変化したそうです。
これをやってみようとお母さんと話しあってから3カ月くらいしかたっていません。どうしてそんなに集中してできたのでしょうか。
びっくりして聞いてみると、「油脂を控えただけでかきむしる回数がけっこう減った感じがして、手応えを感じたから」というお答えでした。
確かに私たちが毎年開催している環境教育キャンプでも、自然の中で遊ぶこと、アレルゲン管理を徹底することを中心に置いているため、おやつを出す余裕はほとんどありません。
子どもたちが参加している3日間、提供する6回の食事で甘いものはほとんど登場しません(650食提供する中で甜菜含蜜糖はカップ1/2杯を使うか使わないかくらい)。
油は、しそ油かえごま油を使いますが、やはり甜菜含蜜糖と同じかそれ以下の量しか使いません。
キャンプ初日にアトピー性皮膚炎で顔に赤みがある子は3日目に「また来年会おうね」と挨拶する頃には赤身は消えています。
油脂と糖分を取りすぎないことはかきむしりを抑えるのにある程度有効かもしれないという感覚はありましたが、ご家庭でお菓子しか食べなかったお子さんがこんな短期間で変化するとは思いもよらないことでした。
便秘が少し落ち着き、夜はかきながら眠る時もあるが熟睡できているようで、
「朝のぐずりが減った気がする。野菜グッズに飽きないようにするのが大変だが、まだ小学校2年生なので遊びのようで自分も楽しんでいる。」
と近況を伝えてくれました。
いい流れができてよい結果も生まれてきたけれど、友達と遊んだり親戚の家に行くと袋菓子を与えられるのでそれが憂鬱。
そういったものを食べた日は口の周りが赤くなるし、かきむしりもぶり返すので、どうやって折り合いをつけるのか、ずっとこういうことを悩むのかなとも話していました。
油と砂糖と糖分と折り合いをつけるのは、現実の暮らしの中では本当に大変なことなのだと、再認識した次第です。